2019年12月21、22日
舞台音楽研究会「魔笛」4公演すべてが無事に幕を閉じました。
両日ほぼ満席。
公演終了後にロビーで「去年も見ました!」「毎年見てます!」とお声かけ下さったお客様もいて、うれしく思います。
25年かけて主催者の沢崎恵美さんたちが築き上げてきたものが形になった公演でした。
(お写真はゲネプロ時に山吹泰男さんが撮影してくださいました!)
公演後の舞台上で沢崎さんが少しお話されていましたが、
今回の山場は、本番一週間前に予期せず起こった“パミーナ骨折事件”。
当初は怪我の状態が分からないとのことで、もしもの時は昼組でパパゲーナ役の神田さやかさんが夜組のパミーナをやって下さるという話もあり、
沢崎さん静養中の通し稽古は、さやかさんが全幕パミーナを演じて下さいました。
たった数日間で、セリフも歌も動きも、全幕全部入れてパミーナを演じたさやかさんの姿はさすがプロ!!
感動と尊敬でした。
夜組を見守っていて下さりありがとうございました。
本役のパパゲーナ、めちゃめちゃかわいくて、この格好で生まれてきたんじゃないかと思うくらい似合ってました!笑
そして何より、怪我の痛みを押し切ってでも主催者としての役割を務めつつ、プリマドンナを演じきった沢崎さんの姿はすごかった。
まさか腰の骨を折ってる人が、ゲネプロから本番まで3日間連続でパミーナを務めあげるなんて奇跡が起こるとはだれも思いませんでした。
あんなこと普通は出来ません。
長年プリマドンナとして舞台に上り続けていらしたのは、ステージにかける信念があったからこそ。
25年続けてこられたのは、沢崎さんだからなのだと思いました。
関わっている人みんなが、「どうにかこの公演を成功させたい」ということしか頭にない作品だった。
そしてそういう作品に関われたことが幸せです。
信頼する高橋勇太マエストロ率いるエルデオペラ管弦楽団さん達は、聞く度に毎回上手くなっている気がします。
毎年おなじみの顔が増えてきて、オケの方に覚えていただけるのは何だかうれしい。
そして、毎年ご一緒させていただく百戦錬磨の合唱団“ベッラヴォーチェ”のみなさんに加えて、大学生の“さわらび・コール”の有志の皆さんが加わって下さり、相乗効果でどんどん良くなり、とっても豪華な合唱でした!
合唱の皆さんのドレスがかわいくて、私も欲しいです。笑
原純さんの「魔笛」はとにかく美しかった。
「魔笛」好きなら知らない人はいないであろう、フリードリヒ・シンケルのが書いたあの絵。
「夜の女王と言えばこれ」みたいな絵の前で歌わせてもらえると聞いたときにはテンションが上がりました。
さらに、今回は侍女たち3人が本当によく仕えて下さり(←演出上)女王は何もしなくても、侍女たちが私の気持ちを代弁してくれてたので助かりました。
アリア直前の「おだまり!!」のセリフを侍女たちが言ってくれたのは本当にありがたかった!
夜の国の人たちはキャストのみなさまが個性豊かで、実際は女王が多分一番薄かったです。笑
それにしても、この王冠がとにかく重いのですよ。
水を入れた花瓶か何かを頭にのせて、ウォーキングの練習でもしてるような気分でございました。笑
(もしくはむち打ちの人。)
余談ですが、
前回、2015年の「魔笛」の時は、幕間で背中にホッカイロを貼って過ごしました。
なんせ背中が寒くって…笑
(↑2015年の夜の女王の衣装)
今回は王冠の重さに耐えかね、幕間で首と背中にサロンパスを貼って過ごしました。
3日間乗り切れたのはサロンパスのおかげです。
夜の女王は、王冠による重力の試練にサロンパスで耐え抜きました。
ありがとうサロンパス。
そんなことはさておき、
全体を通して今回の私の夜の女王は65点くらいかなと思います。
やれることも増えたけど、まだやり切れてない。
すべての音が音の芯を貫いて、精密機械のような正確なテクニックの上でキャラクターを出せるようになりたい。
アルベルト・ゼッダ先生が
「アジリタは完璧でなければアジリタとは言わない」
と言っていたように、
夜の女王は完璧でなければ女王ではないと思っているので、
今回の出来を受け止めてまた先に進みたいと思います。
とにもかくにも、今回お世話になった皆さまありがとうございました!!
メリークリスマス♪
(画像と言ってることが合わないな…)
次回の本番は来年!
1月25日江古田でのサロンコンサート♪
ご予約お待ちしております。
日本オペラ振興会 藤原歌劇団
ソプラノ 楠野麻衣
<舞台音楽研究会 出演歴>
2012年「こうもり」イーダ役
2015年「魔笛」夜の女王役
2016年「シンデレラ(サンドリヨン)」妖精役
2018年「こうもり」アデーレ役
2019年「魔笛」夜の女王