昨夜は来週末が本番の「魔笛」の通し稽古でした。
今年はなんと、通し稽古の段階で会場のテアトルフォンテさんをお借りできるとのことで、本当にありがたい!
舞台音楽研究会さんには2012年からお世話になっていて、私自身は今回が5回目の出演になります。
そしてこのシリーズ自体は今回でなんと25周年!
“毎年クリスマス時期にテアトルフォンテで子どもから大人まで楽しめるオペラを”
との志を持ってこの企画を主催されているのは、夜組パミーナ役の沢﨑恵美さん。
オペラの制作は本当に気の遠くなるくらい骨の折れる仕事ですが、制作をしながらキャストとしても歌われてきた25年間。
それがどれだけ大変なことか…
私の想像には及ばぬものがあると思います。
今日の通し稽古を見ながら、
これまでこの舞台を作り続けてきためぐさんの想いと、合唱やスタッフさんを含め、それを支え続けていらした周りの人たちの愛と歴史。
高橋マエストロの安定、安心感。
そして昨年からこのカンパニーの演出家として迎えられた原純さんの作品に対する並々ならぬ熱情を感じました。
(↑2015年「魔笛」夜の女王役)
“みんなで物を作る”という姿勢を崩さぬこの団体の作品が、私は好きだなぁ。
私を育ててくれた場所。
ここでめぐさんに救われてきた人間がどれ程いるだろう。
飽きないくらい、毎年いろんな事件が起こってドキドキハラハラもするけれど、
一年経つとすっかり笑い話になっている。
一年前の今日に何を悩んでいたかをもう思い出せないように、
今日大変なことも、来年の今頃は忘れて居られるだろう。
(↑2016年「サンドリヨン(シンデレラ)」妖精役)
私たちの人生の中には、ザラストロも夜の女王も出て来ないけれど、
みんなタミーノやパミーナのように試練を受けて強くなる。
死ぬほど辛いことがあっても、音楽の力に救われる。
そして、タミーノほど果敢に立ち向かわなくても、パパゲーノみたいな幸せもある。
身近なものが、自分にとっての魔法の笛であり、鈴になり得ると思う。
人生は楽しいことばかりじゃないけど、
そう捨てたもんじゃないよね。
(↑2012年「こうもり」。イーダ役)
前回、2015年に小澤さんの演出で出演させて頂いた「魔笛」はファンタジックなステキさが有りましたが、
今回の原さんの演出には人間模様としてのリアリズムを描く魅力があります。
多くの人が「魔笛」を見ていて眠くなる(…とか言ったら怒られそうだけど)弁者が出てくるあたりからも、退屈せず見ていただけるかと思います!笑
初演の時代を意識すると言うことで、歴史的なエッセンスもちりばめられている為、世界史好きな方は特に楽しめるかと。
(…と言いつつ、世界史など知らなくても、普通にキレイで楽しめます。)
衣裳も舞台も美しく、
5000円でも安いと思う今回の「魔笛」。
前売り券で買うと、なんと4500円!
ぜひ沢山の方に観ていただきたい作品になっています。
お時間許す方はぜひどうぞ。
★公演詳細&お申込はこちら★
日本オペラ振興会
藤原歌劇団ソプラノ 楠野麻衣
良い作品にしたいなぁ。