昨日はBOF「フランチェスカ・ダ・リミニ」の通し稽古でした。
少ない稽古期間の中でやっとここまできました!!
私の中では本番に臨むくらいの緊張感だった。
約3時間半の作品のオーケストラを一人で担って下さったコレペティの久保晃子先生には賞賛の拍手を送りたい。
(↑一番手前は演出助手、もとい通訳も担って下さっている久恒さん。今回の舞台は久恒さん無しでは成り立たない!通訳が的確で、選ぶ言葉がステキなのです。)
今回は“セミステージ形式”ということで、大きなセットは無く、椅子や机を組み換える事で舞台の見せ方を変えます。
例えばダンテの神曲の“地獄行きの船”を象徴したり。
音楽の中でもどんどん変わっていくので、その舞台転換の役割を担っているのは裏方スタッフさんではなく、ダンサーさんと合唱の皆さん。
どちらも登場シーンが多く、ソリストと変わらない活躍ぶりです。
“合唱オペラ”でいうと、私がまだ20代の頃にジャンネッタ役で乗せていただいた藤原歌劇団の香川公演「愛の妙薬」を思い出します。
その時もタイトなスケジュールで、現地入りしたら“場当たり”して本番。
ゲネプロが無いので、場当たりで変更になったことを試せるのは、本番の1回きり。
今以上に経験の浅かった私には、緊張とプレッシャーで、手に汗握る想いだったのですが、舞台の上でも下でも、本当に皆さんに助けていただきました。
本番中、変更が出た箇所は、パートリーダーの方が小声で動くタイミングのキュー出しをして下さっていたり。
(キュー出しして下さったにも関わらず、私は間違えてしまい、あんまり悔しくて忘れられない思い出…!)
客席や、単体で自由に動くソリストで居る時は分からない世界がそこにはあって、オペラの合唱のプロの仕事を垣間見たと同時に、
「こうしてオペラが成り立っている」と知った公演でもありました。
今回の公演も、「この舞台を作るのにこの稽古回数で大丈夫なのか?!」というところを、皆様の集中力で「どうにかしている」ところが往々にあり、流石だなと頭が下がる想いです。
写真には写っていないけれど、ダンサーの皆さまも毎回言われたこと1回でちゃんとやってて本当に素晴らしいです。
大がかりなセットは無いけれど、これだけやって「セミステージ形式」とするのは勿体ない感じ。
むしろセミステージ形式なのにこんなにやっちゃうのねというサービス精神。
(相手がイタリア人だから制御不可能。笑)
(↑ジュゼッペ(衣裳さん)が稽古中の写真を撮って送ってくれました。ジュゼッペは衣裳さんなのに驚異的に歌がうまい!!)
イタリア人の自由な感性と、“限られた条件の中で良い物をつくりたい”という日本人の堅実さが融合した舞台に仕上がるのでは無いかなと思っています。
いよいよ日本初演まであと3日。
ぜひ、多くの皆様にご覧いただきたい作品です。
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楠野はイザウラ役で登場致します♪
藤原歌劇団 ソプラノ 楠野麻衣