オペラ歌手の楠野麻衣です。
このところ、新型コロナウイルスの急速な感染拡大の報道が続いていますね。
周囲の公演延期・中止のニュースに胸を痛めつつ、私にとっては8月唯一の本番、《オペラ「ウェルテル」(コンサート形式)》が近づいてまいりました。
オペラ「ウェルテル」は、マスネが作曲したフランス語のオペラですが、ドイツの文豪、ゲーテが書いた「若きウェルテルの悩み」という文学作品が原作となっています。
どんなストーリー?
主人公のウェルテルはシャルロッテという女性に恋をします。
しかしシャルロッテにはアルベールという婚約者が…。
叶わない恋心に思い悩み、最後は自殺してしまうというお話。
これだけ聞くと暗い話ですよね。
ウェルテルの音楽は本当に美しいです。ただし、全編通して思い悩んでいて、本当に暗いのも事実です。笑
「ウェルテル」の魅力とは?
「ウェルテル」という物語の良さを理解するには、原作である「若きウェルテルの悩み」が書かれた当時の時代背景や、当時は啓蒙思想が一般的だったこと等など、少し予備知識が必要ではないかと思います。
なかなか時間がなくて「若きウェルテルの悩み」を余裕がない!というあなたには、この動画をおすすめします。
文学作品の解説をされている方のYouTube。
作品を読み始める導入としても良いかと思います。
「若きウェルテルの悩み」を読むなら?
「小説は難しそうだけど、マンガなら読めそう!」という方にはこちらがおすすめ。
「やさしめの日本語訳がいいな…」という方にはこちら。
「注釈の隅々まで楽しみたい」という方にはこちらをどうぞ。
オペラ「ウェルテル」を楽しむために
出版物として「ウェルテル」の対訳本は出されていないと思います。(もしあるなら教えて欲しいです!)
ただ、ありがたいことに、インターネット上にはオペラのリブレットの日本語訳を公開して下さっているサイトがあります。
(↑「オペラ対訳プロジェクト」という外部サイトに飛びます)
小説よりも簡略化されていて、最後のシーンなどはシャルロッテとのやりとりがあったり、オペラとして成り立つようにドラマティックになっているところも。
余裕がある方は小説とオペラ版を比較して読まれると、楽しみも倍増かと思います。
ゾフィーというキャラター
私が演じるソフィーというキャラクターは、ウェルテルが恋するシャルロッテの妹。
15歳くらいで、かわいらしく純粋な少女です。
思い悩んでいる作品の中でも、ソフィーが歌うシーンはキラッと明るく、希望の光のようです。
ゾフィーは今回が初挑戦。
譜読み段階は本当に苦戦しました…!
が、稽古を重ねた今では、すっかりお気に入りの役になりました。
いつかコンサート形式ではなく、オペラ全幕でやれたら良いなぁ、と夢見ています。
配信もあります
こんなご時世ですから、「ぜひ会場にいらして下さい」とは言いづらいのが本心です。
ただ、今回は嬉しいことに、公演終演後の2021年9月1日〜9月10日20時まで、オンラインアーカイブ配信があります!
全国どこでも1000円。
何度でもご覧いただけますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「会場でお会いしましょう!」
…と言える日が来ることを夢見つつ、今はみなさまの健康をお祈りするばかりです。
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ソプラノ 楠野麻衣